ユークリッド原論をどう読むか(13)
頁末          目次

ユークリッド原論

第9巻
 
命題9ー34(偶数倍の偶数かつ奇数)
もし
 ある
 2から始まり順次に2された
 の一つでもなく、
 また
 その半分奇数でもない
ならば、
 それは
 偶数倍の偶数である
 と共に
 偶数倍の奇数でもある。




 Aが
 2から始まり順次に2された
 の一つでもなく、
 また
 その半分奇数でもない
とせよ。


 Aは偶数倍の偶数である
 と共に
 偶数倍の奇数]でもある
と主張する。

さて
 Aが偶数倍の偶数である
ことは明らかである、
      [......(1)]
なぜなら

 その半分として奇数をもたない
から。

次に
 偶数倍の奇数でもある
と主張する。

もし
 Aを2等分し、
 さらに
 その半分を2等分し、
 これをくりかえし行なう
ならば、
 Aを割った商を偶数とする
 何らかの奇数に到達する
であろう。

なぜならもし

 そうでなけれ
ば、

 2に到達し、

 Aは
 2から始まり順次に2された
 の一つになる
であろう。

 これは仮定に反する。

それゆえ
 Aは偶数倍の奇数である。

ところが
 偶数倍の偶数である
ことも先に証明された。

したがって
 Aは偶数倍の偶数である
 と共に
 偶数倍の奇数でもある。

 これが証明すべきことであった。

      目次   頁頭