ユークリッド原論をどう読むか(9505)
頁末          目次

ユークリッド原論

第5巻

命題5ー5(同数倍の差1)
仮想的な推論の設定

(量の位置の任意性)
もし
 あるがあるの、
 引き去られる部分が引き去られる部分の、
 同数倍であるならば、
 残りの部分は残りの部分の、
 全体は全体の同数倍であろう。


ABがCDの、
 引き去られる部分AEが引き去られる部分CFの
 同数倍であるとせよ。

残りのEBが残りのFDの、
 全体ABが全体CDの
 同数倍であろうと主張する。

AEがCFの何であろうと、
 EBがCGの同じ倍数であるとせよ。
 【・・・(a)】
そうすれば
 AEはCFの、
 EBはGCの同数倍であるから、
 AEはCFの、
 ABはGFの
 同数倍である。【・・・(1)】
ところが
 AEはCFの、
 ABはCDの
 同数倍であるとされている。
それゆえ
 ABはGF、CDの双方の同数倍である。
ゆえに
 GFはCDに等しい【・・・(2)】
双方から
 CFがひかれたとせよ。
そうすれば
 残りのGCは残りのFDに等しい【・・・(3)】
そして
 AEはCFの、
 EBはGCの
 同数倍であり、
 GCはDFに等しいから、
 AEはCFの、
 EBはFDの同数倍である。 【・・・(4)】
ところが
 AEはCFの、
 ABはCDの
 同数倍であると仮定されている。 それゆえ
 EBはFDの、
 ABはCDの
 同数倍である。
ゆえに
 残りのEBは残りのFDの、
 全体ABは全体CDの
 同数倍であろう。
よってもし
 あるがあるの、
 引き去られる部分が引き去られる部分の、
 同数倍であるならば、
 残りの部分は残りの部分の、
 全体は全体の同数倍であろう。
これが証明すべきことであった。       目次   頁頭