ユークリッド原論をどう読むか(16)
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ユークリッド原論

第11巻
 
命題11ー5(交わる3直線に垂直な直線があれば、3直線は同一)
もし
 直線
   相会する3直線に対し
   それらの交点において
  垂直に立てられた
ならば,
 3直線
  一平面上にある。



 任意の線分ABが
   3線分BC,BD,BEに対し
   交点Bにおいて
  垂直に立てられたとせよ。


 BC,BD,BEは
  一平面上にあると主張する。

 そうでない
ならば,
もし
可能ならば,
 BD,BEが
  基準平面上にあり,
 BCは
  平面外にある
とし,
 AB,BCを通る平面
  延長された
とせよ。
    [......(H)]

そうすれば
  基準平面上に交線として線分をつくる
であろう。
  BFをつくる
とせよ。
    [......(1)]

そうすれば
 3線分AB,BC,BFは
  一平面上に,
  すなわち
  AB,BCを通って延長された
  平面上にある。

そして
 ABは
   BD,BEの双方に対し
  垂直である

から,
 ABは
   BD,BEを通る平面に対しても
  垂直である。

ところが
 BD,BEを通る平面
  基準平面である。

ゆえに
 ABは
  基準平面垂直である。

したがって
 ABは
   それと会し
   かつ
   基準平面上にあるすベての線分に対しても
  直角をなすであろう。

ところが
 BFは
  基準平面上にあり
  それと会する。

それゆえ
 ABFは
  直角である。

ところが
 ABCも
  直角である
ことが仮定されている。

ゆえに
 ABFは
  ABCに等しい。

  そして
  一平面上にある。

これは不可能である。

したがって
 線分BCは
  平面外にない。

ゆえに
 3線分BC,BD,BEは
  一平面上にある。


よって
もし
 一つの直線
   相会する3直線に対し
   それらの交点において垂直
  立てられた
ならば,
 3直線
  一平面上にある。
これが証明すべきことであった。
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