ユークリッド原論をどう読むか(9515)
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ユークリッド原論

第5巻

命題5ー15(同数倍の比)
約量
 同順にとられたとき、
 それらの同数倍同じ比をもつ。



ABはCの、
 DEはFの
 同数倍とせよ。

CがFに対するように
 ABがDEに対する
 と主張する。
 
ABはCの、
 DEはFの
 同数倍であるから、
ABのなかにある
 Cに等しいと同じ個数の、
 Fに等しい
 DEの中にある。

ABが
 Cに等しいAG、GH、[HiH'i、]HBに、
 DEが
 Fに等しいDK、KL、[LiL'i、]LEに
 分けられたとせよ。【・・・(a)】
そうすれば
 AG、GH、[HiH'i、]HBと
 DK、KL、[LiL'i、]LEとは
 同じ個数であろう。
そして
 AG、GH、[HiH'i、]HBは互いに等しく
 DK、KL、[LiL'i、]LEも互いに等しいから、
 AGがDKに対するように
 GHはKLに、
[HiH'iはLiL'iに、]
 HBはLEに対する【・・・(1)】
それゆえ
 前項の1つが後項の1つに対するように
 前項の総和が後項の総和に対するであろう。
ゆえに
 AGがDKに対するように
 ABがDEに対する【・・・(2)】
しかも
 AGはCに、
 DKはFに等しい
したがって
 CがFに対するように
 ABがDEに対する

よって
 約量
 同順にとられたとき、
 それらの同数倍同じ比をもつ。
これが証明すべきことであった。       目次   頁頭