ユークリッド原論をどう読むか(6)
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ユークリッド原論

第3巻

命題3ー4(弦の交点)
もし
 において
 中心を通らない
 互いに交わるならば、
 互いに2等分しない。 ABCDをとし、
 それにおいて
 中心を通らない2つのAC、BDが
 Eにおいて
 互いに交わるとせよ。

それらは
 互いに2等分しない
 と主張する。

もし可能ならば 互いに2等分し、
 AEはECに、
 BEはEDに等しいとせよ。 【・・・(a)】 ABCDの中心がとられ、
 それをFとし、 【・・・(b)】 FEが結ばれたとせよ。 [このとき、
 角FEB、FEDのいずれかの内部に、
 EAかECかのどちらかがふくまれる。
ここであらためて、
 含まれる方の円周上の点をA、
  含まれない方をCとし、
 含む方の円周上の点をB、
  含まない方をDとし、
 角FEBの中にAがあるものとする。 【・・・(c)】
 
そうすれば
 中心を通る線分FEが
 中心を通らないACを2等分するから、
 それをまた直角に切る。 それゆえ
 FEAは直角である。 【・・・(1)】
また
 線分FEがBDを2等分するから、
 それをまた直角に切る。 ゆえに
 FEBは直角である。

しかも
 FEAが直角なる
 ことも先に証明された。

したがって
 FEAはFEBに、
 すなわち
 小さいものが大きいものに等しい これは不可能である。

ゆえに
 AC、BDは互いに2等分しない。 よってもし
 において
 中心を通らないが互いに交わるならば、
 互いに2等分しない。
 
[これが証明すべきことであった。]       目次   頁頭