ユークリッド原論をどう読むか(13)
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ユークリッド原論
第9巻
命題9ー31(奇数が対して素なら2倍にも素)
もし
奇数がある数に対し素である
ならば、
その2倍に対しても素であろう。
- 奇数は、
定義7ー7による。
- 数は、
定義7ー2による。
- 対して素は、
定義の補足(命題7ー23)による。
- 倍は、
定義の補足(公理1ー5)による。

奇数Aがある数Bに対し素である
とし、
CをBの2倍とせよ。
-
「数(について)・・・とせよ」は、
コメント4(命題7ー1)
参照のこと。
-
A=奇数、A⊥B、
C=2×B
となっている。
AはCに対し素である
と主張する。
もし
[対して]素でない
ならば、
何らかの数がそれら[A、C]を割り切る
であろう。
割り切る
とし、
それをD
とせよ。
[......(a)]
-
背理法の仮定である。
-
D|A、D|C
となっている。
そうすれば
Aは奇数である。
それゆえ
Dも奇数である。
-
数Fがあって、
A/D=F
とし、
背理法の仮定として
Dが偶数である
とすれば、
命題の補足4(定義7ー16)(商を割る数にかけると割られる数)
により、
F×D=A
となるので、
命題9ー28(奇数×偶数は偶数)
により
Aは偶数
となり、
Aは奇数であるという
命題の設定に矛盾する。
-
D=奇数
となっている。
そして
Dは奇数であって
Cを割り切り、
Cは偶数である
から、
DはCの半分をも割り切る
であろう。
-
前節、
命題9ー30(奇数が偶数整除なら半分も整除)
による。
ところが
BはCの半分である。
ゆえに
DはBを割り切る。
しかも
Aをも割り切る。
したがって
Dは互いに素であるA、Bを割り切る。
これは不可能である。
したがって
AはCに対し素でなくはない。
よって
A、Cは互いに素である。
これが証明すべきことであった。
- 命題9ー31は、
A;奇数、
のとき、
B;Aと互いに素
ならば、
A、2×B;互いに素
のことである。
- 命題9ー31は推論用命題である。
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