ユークリッド原論をどう読むか(13)
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ユークリッド原論

第9巻
 
命題9ー31(奇数が対して素なら2倍にも素)
もし
 奇数がある対し素である
ならば、
 その2対しても素であろう。




 奇数AがあるBに対し素である
とし、
 CをBの2とせよ。


 AはCに対し素である
と主張する。

もし
 [対して]素でない
ならば、

 何らかのがそれら[A、C]を割り切る
であろう。

 割り切る
とし、
 それをD
とせよ。
      [......(a)]

そうすれば
 Aは奇数である。

それゆえ
 Dも奇数である。

そして
 Dは奇数であって

 Cを割り切り

 Cは偶数である

から、
 DはCの半分をも割り切る
であろう。

ところが
 BはCの半分である。

ゆえに
 DはBを割り切る

しかも
 Aをも割り切る

したがって
 Dは互いに素であるA、Bを割り切る

 これは不可能である。

したがって
 AはCに対し素でなくはない。

よって
 A、Cは互いに素である。

 これが証明すべきことであった。

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