ユークリッド原論をどう読むか(4)
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ユークリッド原論
第1巻
前号に引き続き、
 ユークリッド原論について紹介する。
今回で
 第1巻の解説を終了することになる。
今回の分について言えば、
 クライマックスは
 何と言っても
 命題1ー47、三平方の定理(ピタゴラスの定理)である。
原論の第1巻の流れを大まかに振り返ると、
□正三角形と作図要素1
 (命題1ー1〜3)
□2辺挟角相等と2等辺三角形(
 命題1ー4〜6)
□3辺相等と作図要素2
 (命題1ー7〜12)
□2直線と角
 (命題1ー13〜15)
□三角形の角と辺
 (命題1ー16〜26)
□錯角・同位角・同側内角と平行
 (命題1ー27〜33)
□平行線と等積変形
 (命題1ー34〜45)
□三平方の定理
 (命題1ー46〜48)
 となる。
三平方の定理は
 合同と等積変形だけを前提に、
 この段階で証明される内容であるが、
 その後の豊かな展開、深化という意味から考えると
 驚異的に感じられる。
ここで、改めて、
 現代の数学教育を経験した者が
 読み進める場合の
 留意点に触れておく。
原論の定義、公準、公理、
 読み進んでいる所までの命題だけを
 前提に考えるという姿勢に立つこと。
これが第1である。
原論の証明には
 場合を尽くしていないものが結構あり、
 それを見つけるということを
 楽しみにするとよい。
 例えば、命題1ー35である。
原論には
 交点の存在等を
 図で素朴に前提としているところがあるが、
 そこを
 とことん論理的に追究してみようとすると
 楽しみが増す。
 例えば、命題1ー37のように、命題1ー30の補足が登場するところである。
この点では、
 ヒルベルトの「幾何学基礎論」(ちくま学芸文庫 中村幸四郎訳)を
 一読されるとよい。
著者の高名さに
 理解できそうにないと思いがちだが、
 高校の数学教員なら結構楽しめる。
前置きはこれくらいにして、
 本論にすすもう。
なお、
 本文の論理の筋道が
 明白になるように語句を補ったところは
 [ ]で示してある。
 
 
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